5月なのでクールビズと言って、タイをしなくてもよくなる人が増えているのではないかと思います。会社勤めをしている男性の中では、シャツを着てタイをすることが多いかと思うのですが、まずは、シャツとタイの関係性について考えてみたいと思います。
前提として、①シャツには襟の形が複数ある ②タイには結び方が複数ある というふたつが挙げられます。
そして、それぞれの襟型にはそれぞれに合ったタイの結び方があります。つまり、適切な組み合わせは、襟とタイの関係性の中に見出されるということです。
その法則は簡単で、襟の開きが大きくなるならば、タイの結び目を大きくする、もしくは、襟の開きが小さくなるならば、タイの結び目を小さくする、ということです。このようにすると均整の取れた美しいVゾーンになりやすいと言われています。
ボタンダウンに合わせてウィンザーやセミ・ウィンザーなどの大きな結び目を選ぶことに代表されますが、合わない組み合わせを選んでいる人を見掛けることがあります。
人と人との間に生きるとき、自分の意志というよりも、関係性の中で適切かつとるべき行動が決まってしまうことが多々あると思います。もし、このような構造に対して、美しくない関係性という形で流れに抗っているとしたら、流れに掉ささないというその行為に美しさを見ることが可能ではないでしょうか。美術作品においても言えることですが、作品自体の強度のひとつとして、画面上に画家の格闘の痕跡を見出すとき、ひとりの人間の意志を見るとき、そこに美しさを見出すことができるのではないでしょうか。大部分の合わないVゾーンの人たちは何も考えていないか、知識や興味の欠落による怠惰の所産だと思いますが、そのような人を見たときは、今度こそは美しい意志なのではないか、と期待しながら見てしまいます。(分野が違うではないか、と言われるかもしれないですが、意志を持って生きるという点では、小坂井敏晶『社会心理学講義』筑摩書房、2013年 が非常に参考になります。)

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